朝乃山について その1

 2019年11月場所初日。大関朝乃山は霧馬山を右四つに組み止めて寄り切った。相撲は快勝だったが取組後に右肩を気にする素振りを見せた。どうやら右肩に霧馬山の頭が当たったのが原因のようだが、観た限りでは霧馬山が普通に当たっているようにしか見えなかった。2日目の照ノ富士戦は全く右腕が使えない状態で土俵に上がり、上手投げで敗れた。そして3日目から右肩三角筋の挫傷を理由に休場した。大関は横綱と並んで協会の看板である。観ている方からすれば大怪我をしたように見えなかった相撲で早々と休場されると物足りなさしか残らない。しかしこの休場には深い理由があった。それは何なのか?説明する前に朝乃山の紹介をしたい。

 朝乃山は富山県富山市出身であり、高砂部屋所属である。そして身長187センチ、体重174キロであり、右四つ、寄り、上手投げを得意としている。年齢は26歳である。2016年3月場所で豊山とともに三段目格付出で初土俵を踏んだ。そして三段目を3場所、幕下を3場所で通過し、2017年3月場所に新十両に昇進した。十両も3場所で通過し、同年9月場所に新入幕。入幕後は幕内に定着するも平幕中位~下位での土俵が続いた。その後2019年5月場所で平幕優勝を果たすと一気に力を付け、同年11月場所に小結に昇進。そして3場所連続で三役で2桁勝利を挙げたことが評価され、2020年3月場所後に大関に昇進した。

 5月場所は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となったので7月場所が大関として初めて迎える場所となった。7月場所は初日から9連勝するも終盤に崩れ、優勝を逃した。9月場所は3連敗スタートとなり、厳しい場所となったが4日目から10連勝し、10勝5敗で場所を終えた。11月場所は先述の通り途中休場した。そして2021年1月場所は初めてのカド番となったが11日目に脱出し、11勝4敗という成績だった。

続く