頑張れ芝(紫雷)!のその後 なぜ紫雷を取り上げたのか?

 話を紫雷に戻そう。なぜ3年半前に紫雷を取り上げたのか?。十両に上がれず、幕下で苦労している力士はたくさんいる。それは十両に上がれるかどうか、可能性として五分五分と見ていたからである。そして本人が言うには新十両までの8年より、新十両から再十両までの1年半の方が長く感じたようである。また「もう1回上がらないと格好がつかない。絶対に上がってやろうという気持ちだった」と再十両を決めた後に語っていた。不祥事発覚後は相当落ち込んだようだが、落ち込んだからこそ再十両にこぎ付け、十両に定着できていると私は思っている。逆に不祥事がなければ新十両の一場所だけで終わっていた可能性もある。

 また先述のように幕下上位の番付は非常に厳しい。本人は再十両を決めた後、「よく頑張った」とか「腐らなかったのは偉い」と言われたようだが、私も同じ気持ちである。一方十両に上がれずに幕下上位が最高位で引退する力士はごまんとおり、報われて良かったと心底から思っている。

続く