頑張れ芝(紫雷)!のその後 落胆と執念の再十両
自らまいた種とはいえ、新十両の場所で怪我ではなく、謹慎での休場はかなりこたえたはずである。確かに給料はもらえ、個室は与えられたかもしれない。しかし絹の締め込み姿や化粧廻しも披露できず、これでは何のための新十両だったか分からない。勿論再び十両に上がれる保証はどこにもない。よって休場中は食事が喉を通らず、175キロあった体重が140キロまで落ちてからは体重を計測する気にもなれなくなった。また母校の埼玉栄高校から手元に届いた化粧廻しも見る気にもなれなかった。
翌3月場所は西幕下11枚目まで番付を下げ、再度の十両への道のりが始まった。その後番付を戻し、2022年11月場所は東幕下筆頭まで番付を上げた。しかし7番相撲に敗れて3勝4敗と負け越し、十両復帰を逃した。そしてその半年後となる2023年5月場所は再度の東幕下筆頭となった。今度は9日目の5番相撲で勝ち越しを決め、東筆頭ということで9場所ぶりの十両復帰が確定した。十両復帰に際し「長かったっすね。いろんな人に迷惑をかけた。罪滅ぼしの思いはあります」「化粧廻し、締め込みはしまってあります。同期生から贈られた帯などもやっと付けられるようになると思います」とコメントした。その後5月31日に開かれた番付編成会議で7月場所の再十両が正式に発表された。そして7月場所初日に待望の十両としての相撲を取った。更にこの場所が事実上の新十両の場所となった。また千秋楽で白星を挙げ、8勝7敗で勝ち越した。以来十両に定着しており、現在は自己最高位の西十両7枚目となっている。
続く
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