琴恵光引退に関して 来歴 幕内定着~引退まで

 その後再入幕の2020年7月場所では10勝5敗の好成績だった。そして翌9月場所は入門以来初となる部屋頭の地位に就いた。現在大関の琴櫻が左膝を痛めて十両に番付を下げており、幸運にも恵まれた。しかし部屋頭は部屋頭である。稽古場の木札の先頭に四股名が掲げられただけで名誉なことである。ましてや関取を多数輩出している部屋である。重みが違う。本人が言っていたように積み重ねた努力の結果だったのかもしれない。

 以降は幕内に定着し、2021年7月場所は自己最高位の東前頭4枚目となった。私としては上位総当たりの番付に上がって欲しかったが、平幕二桁の番付では勝ち越せるものの、一桁の番付では負け越すといったことの繰り返しに終わった。精一杯相撲を取っていたが、やはり上位力士と対戦するには増量が不可欠だと思い知らされた次第である。

 2023年11月場所は9日目の北青鵬戦で左膝を痛め、翌日から休場した。それと同時に初土俵から続けていた連続出場が1043回で止まった。翌2024年1月場所は十両に番付を下げたが左膝の状態が回復しなかったのが理由で二場所連続で負け越し、5月場所は西幕下11枚目まで番付を下げていた。そして今場所は初日から休場しており、引退という運びとなった。今後は部屋付きの親方として後進の指導に当たることになる。

続く