琴恵光引退に関して 来歴 入門まで

 元幕内の幕下琴恵光が5月場所6日目の5月17日に現役引退及び年寄尾車襲名が発表された。また思いでの一番には、最高位だった東前頭4枚目の2021年7月場所8日目の横綱白鵬戦を挙げていた。「負けてしまったが、入門した時には結びで取るなど想像できなかった」とコメントしていた。

 まずは琴恵光の紹介をしたい。琴恵光は宮崎県延岡市出身で佐渡ヶ嶽部屋所属だった。年齢は32歳である。また身長177センチ、体重125キロの小兵であり、右四つ・寄り・押しを得意としていた。幕内在位29場所、十両在位19場所であり、先述の通り最高位は東前頭4枚目だった。それでは生い立ちから振り返っていきたい。

 琴恵光の祖父は元十両の松惠山(まつえやま)である。現役時代は立浪部屋に所属し、引退後は宮崎県でちゃんこ料理店を営んでいた。そして父親は祖父亡き後に店を継いだ。この家系で、3人きょうだいの末っ子(兄一人、姉一人)として生まれた。小学校時代は地元の松惠山相撲道場で相撲経験を積み、6年次にはわんぱく相撲全国大会でベスト8の成績を残した。そして延岡市立岡富中学校時代は柔道部に所属し、団体戦メンバーとして宮崎県中学校柔道大会での団体優勝に貢献した。当初は延岡学園高校へ柔道の特待生として進学し、卒業後は料理人になることを志していた。しかし中学3年次に佐渡ヶ嶽部屋の九州場所宿舎で稽古を見学したことをきっかけに大相撲への興味が湧き、入門を決意した。

続く