琴ノ若は横綱になれるのか? 出身校の埼玉栄高校の大関との比較 その2

 貴景勝は中学横綱のタイトルを獲得しており、高校入学時はやんちゃ坊主だったので山田監督は礼儀作法を指導したようである。一方相撲に関しては真摯であり、手がかからなかったみたいだ。貴乃花部屋に入門した後は着実に番付を上げ、2019年5月場所に大関に昇進した。また前相撲から取って初土俵から所要28場所での大関昇進は日本出身力士としては史上1位のスピード記録となった。また全体でも史上6位である。新大関の場所で膝を痛めて途中休場し、次の場所も休場したので9月場所は関脇に陥落した。しかし9月場所は12日目に10勝目を挙げ、史上最速での大関特例復帰となった。その後は大関に定着している。また3回優勝を果たしている一方で休場が多く、成績が安定していない。そして首を痛めた影響で頭からぶちかます相撲が減っている。横綱は本人の悲願ではあるが3月場所はカド番であり、綱取りに向けては厳しくなってきていると言わざるを得ない。

 今挙げた二人との大きな違いは琴ノ若は中学と高校2年次までは個人タイトルを獲得していないということである。また高校3年になってようやく芽を出してきたという印象である。相撲の取り口に関しても二人は入門時には完成度が高かった。一方の琴ノ若はまだ完成されておらず、稽古と本場所の土俵で少しずつ強くなってきている。大関に上がったとはいえまだ伸びしろがあり、今後の成長が期待できる。そして二人より体格に恵まれているのも綱取りに向けてはプラス材料である。よって高校関係者にとっても期待が大きと言えるのではないだろうか。

続く