琴ノ若は横綱になれるのか? 入幕から現在まで

 1月場所は13勝を挙げ、場所後に大関に昇進した。身長189センチ、体重172キロの立派な体格をしており、稀勢の里以来となる日本出身の横綱への期待も高い。ということで琴ノ若が横綱になれるのか検証したい。

・入幕から現在まで

 2020年3月場所で新入幕となり、9勝6敗で勝ち越した。しかし翌5月場所は途中休場もあり、成績も振るわず十両に陥落した。それでも一場所で再入幕を果たすとその後は幕内に定着した。2021年7月場所は12勝3敗の好成績で初の敢闘賞を受賞した。翌9月場所は西前頭3枚目となり、初めて上位力士と対戦できる番付まで上がった。成績は3勝7敗5休で負け越したものの8日目は正代を上手投げで破り、対大関戦初勝利となった。

 2022年1月場所からは二場所続けて11勝をマークし、いずれも敢闘賞を受賞した。その後は上位総当たりの番付となり、平幕上位に定着した。そして2023年1月場所で新小結となり、8勝7敗で勝ち越して三役に定着した。その後同年9月場所で新関脇となり、9勝6敗で勝ち越すと翌11月場所は11勝を挙げた。審判部は明言まではしなかったものの、1月場所で高いレベルの成績を残せば大関昇進の可能性が高くなった。そして2024年1月場所は初優勝は逃したものの13勝を挙げ、全会一致で大関昇進が決まった。

 このように新入幕から大関まで四年かかっており、スピード出世とは言えない。細かく言えば平幕上位の番付に上がるまで一年半かかっている。そして平幕上位定着まで二年、三役昇進まではほぼ三年かかっている。

 しかし逆を言えば少しずつ、そして着実に力を付けてきたことが分かる。特に去年一年は三役を務めて全ての場所で勝ち越しており、周囲に認められる存在になったのは事実である。また年下で大関の豊昇龍も毎場所少しずつ強くなっており、琴ノ若と成長曲線が似ていると私は思っている。相撲の取り口もまだ完成されておらず、今後の成長が見込める力士である。

続く