2024年1月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 琴ノ若ー翔猿戦

2024年2月14日

 千秋楽は二人が先頭だが、優勝に向けてはいろいろなケースが考えられた。

1 琴ノ若が勝ち、照ノ富士が敗れれば琴ノ若の優勝

2 琴ノ若と照ノ富士の両者が勝てば両者による優勝決定戦

3 琴ノ若が敗れ、照ノ富士が勝てば照ノ富士の優勝

4 琴ノ若と照ノ富士の両者が敗れれば霧島を含めた3人による優勝決定巴戦

 私は琴ノ若は翔猿に勝つだろうと見ていたので4はないと思った。仮に琴ノ若が負ければ横綱が本割で決めるだろうと予想していた。よって2が一番あり得ると思った。1に関しては琴ノ若は私的には幕下以下の頃から観てきており、そうなって欲しいという願望はあった。しかしライバルは横綱である。簡単に優勝を許す訳がない。

 さて相撲の方だが先に琴ノ若が土俵に上がった。翔猿戦だったが過去の対戦を見ても懐に入れば翔猿、廻しを取れば琴ノ若ということで傾向がはっきりしていた。また琴ノ若は負けるようなことがあれば平幕相手の黒星ということで印象が悪くなる。一方勝てば13勝であり、大関昇進に向けては当確ランプが点る。師匠で父でもある佐渡ヶ嶽親方は審判部長も務めており、勝ってすっきり昇進を決めたいという一番となった。勿論初優勝に向けても負けられない。

 相撲は翔猿が真っすぐ当たったのに対し、琴ノ若は相手を見ながら立った。それでも馬力が付いているので押し込まれない。その後押し合いの攻防となったが、翔猿が懐に入ろうとした瞬間、琴ノ若が左へ体を開き、そのタイミングで左上手を取った。これで琴ノ若としては十分である。左から上手投げを打つと翔猿が踏ん張るも最後は首を押さえつけて転がした。これで13勝目となり、初優勝へ一歩近づいた。また大関昇進がほぼ決まったと言っていいと思う。この一番は協会審判部に議論をさせないという意味でも師匠をはじめ審判部の人間を救った気がする。おそらくホッとしているのではないだろうか。

続く