2023年11月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 琴ノ若ー熱海富士戦
千秋楽。霧島は結びで貴景勝戦が組まれた。そして熱海富士は琴ノ若との取組となった。霧島が相撲を取る前に熱海富士が敗れればその時点で優勝が決まる。ということで琴ノ若と熱海富士の一番が注目となった。初顔合わせだが琴ノ若は三役に定着している上に大関候補である。実績的にも熱海富士が簡単に勝てる相手ではない。また琴ノ若はこの時点で10勝を挙げており、この一番に11勝目が懸かる。来場所の大関獲りに向けても負けられない一番である。確かに熱海富士は今場所は豊昇龍を破っており、その意味では勝てる可能性はある。しかし豊昇龍は上位力士の中では馬力がない方であり、熱海富士はその弱点を突いての白星だった。琴ノ若は馬力がある上に熱海富士より体が一回り大きい。また自分の相撲が取れなくてもそれなりに対応できるタイプである。ただ時に自滅するような相撲を取ることがあり、熱海富士はそれを待つしかないと私は思った。そして琴ノ若相手に押していくのか、四つに組みに行くのかに興味があった。
相撲は琴ノ若が相手を見ながら二本差しを狙った。一方熱海富士は頭からぶちかまし、二本差しを嫌って突き離した。しかし琴ノ若は落ち着いて引き落とすと熱海富士は両手をバッタリと付いた。負け方は違えど、役力士に力の違いを見せつけられたという点では前日の霧島戦と同じである。しかしこの結果は仕方がないし当然である。繰り返しになるが、本人が取組後言っていたようにもっと稽古をして力を付けていくしかない。
続く