2023年7月場所個別評価 遠藤
今場所は東前頭16枚目だったが10勝5敗の好成績だった。先場所は一つも勝てずに途中休場ということで負け越せば十両陥落の可能性もある番付となった。3連勝スタートを切り、前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は連勝し、10日目に勝ち越しを決めた。そして11日目からは今場所好調の力士との対戦となったが3連敗し、優勝争いから脱落した。しかし終盤は連勝し、約二年ぶりとなる二桁勝利で場所を終えた。
内容に関しては左四つ主体の相撲には安定感があった。やはり平幕下位で取る力士ではない。そして番付が下がったということで新入幕の3人と対戦があった。伯桜鵬戦は立ち合いからすぐに左を差され、右は抱えられながら一気に寄り切られ、完敗という内容だった。しかし湘南乃海戦は立ち合いで右に変わると左を差し、右も差すと一気に寄り切った。考えた相撲で新入幕の挑戦を退けた。そして豪ノ山戦は突き合いから左前廻しを取ると豪ノ山が引き、そこを一気に押し出した。何より遠藤は相撲が上手い。そして技の引き出しをたくさん持っている。今場所に限らず、入幕したばかりの力士は遠藤には勝てない。逆を言えば勝った伯桜鵬は凄いということになる。今後も若手力士の壁として立ちはだかりそうだ。
その一方で11日目からの3連敗の相手は錦木、琴ノ若、北勝富士といずれも今場所活躍した力士だった。慢性的に膝を痛めており、調子の良い力士に全力でぶつかられると厳しい感じである。
9月場所は番付を上げるが、再度の二桁勝利を期待したい。膝の状態は気になるが、膝の状態さえ良ければ技は持っており、まだまだ活躍できる。まずは番付を戻し、上位力士と対戦できる地位で相撲を取りたいところだ。