2023年7月場所を振り返って 優勝争い その7

 錦木と竜電の一番は立ち合いで錦木が左から抱え、攻防の中で右を差し、左上手を取って前に出るも土俵際で竜電に二本差され、最後は右からの下手投げで転がされた。これで錦木は4敗となり、優勝はかなり厳しくなった。また序盤ほどの勢いはなく、相撲の流れが悪くなってきているのは否めない。

 豊昇龍と若元春の関脇対決は立ち合いで若元春が左へ大きく変化。しかし豊昇龍は若元春の右足を取って残すと左廻しを取って頭を付けた。その後右小手投げで若元春を転がした。確かに豊昇龍は若元春のまさかの変化によく対応したと思う。しかし豊昇龍は悪くないものの、結果として若元春の変化だけが目立った一番になった。この内容では大関に向けて一歩前進、とまでは言えない。佐渡ヶ嶽審判部長も豊昇龍の大関獲りに関しては「まだ何とも言えない」と明言を避け、「あとは千秋楽の相撲を見てから」と説明した。

 14日目終了時点で3敗は豊昇龍、北勝富士、伯桜鵬の3人が並んだ。そして4敗は琴ノ若、錦木、竜電の3人となった。また千秋楽の取組は14日目の全取組終了後に割が組まれる。どのような取り組みが組まれるかが注目された。

 そして取組は豊昇龍は伯桜鵬との3敗同士の対決となった。これにより4敗力士の優勝の可能性はなくなった。またもう一人の3敗の北勝富士は4敗の錦木との対戦となった。ということで北勝富士が勝った場合は優勝決定戦、負ければ豊昇龍と伯桜鵬の勝者が優勝ということになった。

続く