モロ差し速攻! 島津海 一山本の存在

 そして部屋も関取では一山本がいる。今場所は東十両3枚目だったが初日から4連敗し、5日目からは左膝内障で休場した。再出場がなければ幕下に転落する可能性もあった。しかし8日目から再出場し、11日目終了時点で3勝を挙げている。これで幕下転落は免れそうだ。一山本は年齢が29歳で島津海より年齢が二つ上である。しかし島津海が中卒に対して一山本は大卒後に公務員となり、その後での入門ということで入門までの経緯が全く違う。相撲を観ても島津海が愚直にモロ差しの相撲を取るのに対して一山本は突き押しからの引きやいなしを得意としており、相撲の上手さで勝負するタイプである。そして肌の色を見ても鹿児島出身の島津海は色黒だが北海道出身の一山本は色白であり、実際はどうか分からないが、私が観た限りでは水と油にしか見えない。実績に関しては一山本は幕内を11場所務めており、島津海にとってはライバルかもしれない。しかし一山本は今場所は十両に番付を下げた中での途中休場である。年齢的にも頭打ちの可能性もあり、今後どうなるかは分からない。そして一山本は相撲の取り口にも表れているが、調子がいい時はリズムに乗って二桁勝利を挙げることが多い。しかし一つ歯車が狂うと逆に二桁の黒星になることもある。その意味では安定感のある島津海の相撲とは違って相撲にムラのある力士である。その意味では年上とはいえ、島津海の手本となる力士とは思えない。また放駒部屋は力士数も少ないので強くなるためには出稽古をした方が良さそうだ。私としては一山本のことはあまり気にせず、自分のペースで力を付けていって欲しいと思っている。

続く