モロ差し速攻! 島津海 私が観た印象

 名前を覚えたのは2017年7月場所で自己最高位で6勝をマークした頃である。BS大相撲でも注目力士として名前が挙がっており、二本差しての速攻相撲が印象に残った。しかしその後右膝の怪我が続き、伸び悩んだ。それでも今振り返ると幕下で揉まれながら少しずつ力を付けていったのは決して悪くなかったと思う。師匠が新十両昇進で語っていたように、私ももう少し早く上がってもいいくらいの能力はあるように見えた。しかし大相撲は奥が深く、ただ番付を上げさえすればいいというものではない。幕下での下積み期間が長かったからこそ新十両に上がってもすぐに幕下に転落せず、十両に定着できたと私は見ている。また身長175センチと背は高くなく、十両に入ると体格的に見劣りするのは事実である。しかし逆に背の低さを武器にして相手の懐に入りやすくなっているという部分もある。結果として体格のハンデをモロ差しの上手さとスピードで補っている。そして今後に向けても少しずつ力を付け、幕内に上がり、定着できると予想している。何より正攻法の相撲なので期待が持てる。

続く