2025年11月場所個別評価 欧勝海

 今場所は東前頭16枚目であり、新入幕の場所となったが7勝8敗で負け越した。白星スタートとなったが2日目からは連敗が止まらなくなった。左肩の古傷が悪化したこともあり、8連敗で負け越しが決まった。しかし10日目からは連勝して巻き返すと千秋楽は十両の藤青雲との入れ替え戦と見られる一戦を制し、幕内残留を濃厚にした。

 それでは欧勝海を紹介したい。欧勝海は石川県河北郡津幡町出身で鳴門部屋所属であり、年齢は24歳である。また身長184センチ、体重146キロであり、左四つ、寄りを得意としている。横綱大の里と同郷であり、大の里の一歳年下である。そして大の里は新潟・能生中に進んだが欧勝海は津幡南中に進み、新潟海洋高校に進んでいた大の里に誘われて海洋高校に進学してtる。そして大学には進まず、中学時代から鳴戸親方(元大関。琴欧洲)に勧誘されていたこともあり、高卒で鳴戸部屋に入門した。

 内容に関しては前半戦は幕内力士のスピードについて行けなかった印象がある。そしてその流れのまま負け越しとなった。しかし10日目は開き直ったような内容で佐田の海を押し出し、9日ぶりの白星となった。この後は形にこだわらない積極的な相撲で盛り返した。千秋楽の藤青雲戦は左に変わって叩いて泳がせた後送り出した。思い切りのいい本来の相撲が取れていた。

 印象に残ったのは14日目の平戸海戦である。当たってすぐにモロ差しとなり、平戸海が右を巻き替えた瞬間、左上手を引き付けて前に出て寄り倒した。廻しさえ取れれば三役経験者が相手でも通用するところを見せた。

 来場所は西前頭16枚目となった。古傷の左肩の状態が気になるが、少しでも万全な形で本場所に臨みたい。そして最近では少なくなった四つ相撲の本格派である。苦労するかもしれないが右上手を取っての力強い相撲は魅力がある。勝ち越しは勿論、来年は幕内定着が望まれる。