角界のおにぎり君! 隆の勝 最後に

 今場所は三役復帰の場所だったが5勝10敗で負け越した。右膝の状態が思わしくなく、10日目に早々と負け越しが決まってしまった。しかしその後は横綱大の里を破り、見せ場を作った。千秋楽は王鵬に敗れ10敗目となったものの、巻き返したことで来場所の番付の大幅な降下は避けられそうだ。

 年齢的なことを考えると今後目指すは幕内最高優勝である。過去優勝同点が1回、優勝次点が2回ということで地力を考えれば優勝できる能力はあると見ている。今年7月場所は同郷で年下の琴勝峰が平幕優勝を果たしており、刺激を受けたはずである。今度は自分が優勝して地元でパレードをするという気持ちで頑張って欲しい。

 そして去年と今年の二桁勝利はいずれも平幕中位~下位で挙げている。よって上位力士と当たる位置から外れた時がチャンスである。序盤から勝って勢いを付け、その流れで後半戦に上位力士と対戦するのが理想である。また勢いが付けば爆発力があるので上位力士を倒すことも十分考えられる。今場所後に安青錦が新大関となり、横綱2人も若いので世代交代の感もある。しかし個人的には上位力士が力を付けたとしても、隆の勝に限らず高安にも優勝のチャンスがあると見ている。あとは今までは上位力士に敗れて優勝できないといったことが続いているので、何とかその壁を乗り越えたい。

 馬力と爆発力は健在であり、相撲の取り口の幅も広がってきているのでまだまだ活躍が期待できる。あとは古傷の右膝に注意を払って相撲を取って欲しい。努力が幕内優勝という結果として報われることを望んでいる。

終わり