角界のおにぎり君! 隆の勝 師匠の常盤山親方の紹介 師匠として いい人

 2016年に師匠になってからは自身が厳しい稽古で鍛えられたということで、その部分は当時の二子山部屋の指導方針を受け継いでいるようである。

 しかし師匠として語るべきはやはり「いい人」ということである。元関脇・舛田山の当時の千賀ノ浦親方から部屋継承を要請され、「力士の居場所がなくなるのはかわいそうだ」の思いから要請を受け入れ、部屋を継承した。その後2018年は協会を退職することになった貴乃花親方から部屋関係者の受け入れを強く依頼された。当初は話し合いはできていないとコメントし、戸惑いを見せていた。しかし結局は関係者全員を迎え入れた。そして受け入れ直後の冬巡業中に貴乃花部屋から移籍した貴ノ岩が付け人に暴行を加えていたことが明らかになり、同年12月に貴ノ岩は引責引退となった。師匠は貴ノ岩を厳しく叱責したが、「幕内で相撲を取った男だから最後の花道としてやってあげたい」と尽力した。その後2019年2月2日に両国国技館で断髪式を執り行った。付き合いは僅か数か月であり、不祥事での引退なので花道を飾らなくても文句は言われないところである。しかし本人のことを考えて力を尽くしたあたりは「いい人」以外の言葉が見つからない。

続く