2022年5月場所を振り返って 三賞など

 三賞は殊勲賞は大栄翔と隆の勝の二人が受賞した。大栄翔は5度目、そして隆の勝は初の殊勲賞受賞となった。いずれも横綱を破った上で二桁勝利を挙げており、文句のない受賞である。そして敢闘賞は佐田の海が8年ぶり2度目の受賞となった。千秋楽まで優勝争いに絡む活躍をし、相撲内容も評価された。また二桁勝利も新入幕で10勝した時以来となった。35歳とベテランの域に入ってきているが、上位力士との対戦経験が少なく、その意味で今後期待してしまいたくなる力士である。

 十両は優勝決定戦の末、西6枚目の錦富士が11勝4敗という成績で初優勝を果たした。錦富士は左四つの相撲を得意としているが押し相撲も取れ、攻防の中での立ち回りが上手いという点で器用な力士である。その一方で前に出て勝った相撲は少なく、パンチ力という部分では少し物足りなさも感じる。私としては四つ相撲ではなく、一気に押し込む相撲が観たいと思っている。来場所は新入幕の可能性もあるが、上がれるかどうかは半々といったところだ。