2022年3月場所個別評価 隆の勝
今場所は4勝11敗で負け越した。黒星スタートも2日目は正代を押し出しで破った。しかし3日目からはまさかの連敗。結局その流れを止められず、9日目に早々と負け越しが決まった。10日目からは巻き返すも終盤は再び連敗し、場所を終えた。
内容に関しては4日目～6日目はいずれも押し込みながらの逆転負けであり、決して悪い相撲ではなかった。しかしその後の7日目の豊昇龍戦、8日目の逸ノ城戦はあっさりと廻しを引かれていた。何としても廻しを取らせないという姿勢や工夫が私には見えなかった。千秋楽の佐田の海戦もあっさりと相手得意の右四つに組まれており、結果だけでなく、内容的にも物足りなかった。そして地位的にも大事なのが負け越した後の相撲である。いずれも平幕力士との対戦であり、本来なら白星を並べなければいけないところである。自分の相撲を取りという強い意識や粘り強さが見られなかったのが残念である。
5月場所は西前頭4枚目となり、2場所守った三役の地位から陥落となった。一からやり直しである。勿論実力的には巻き返しを期待したいが、若手力士が力を付けてきており、危機感を持って土俵に上がって欲しいところだ。あとは自分の相撲に集中するだけでなく、相手に廻しを取られない相撲を取ることが求められる。実力は認めなければいけないが、現状は頭打ちといった状況である。今後に向けては何かを変えていかないと更に厳しくなってくる。精神面も含めて奮起してほしいところだ。