2025年7月場所を振り返って 十両の優勝争い 千秋楽まで 優勝の三田に関して

 13日目は大青山と三田ともに白星で3敗を守った。そして14日目は直接対決となった。相撲は大青山が当たって一気に前に出たものの、三田が土俵際で左へ体を開いて叩き込んだ。攻防のある相撲が観たかったが三田は先場所左手薬指を骨折しており、完治していない。また大青山は身長192センチ、体重164キロと体格に恵まれており、組み止められたらおしまいである。よって内容は褒められたものではないものの、仕方がないと言える。これで三田が単独トップに立ち、優勝が近づいた。一方負けた大青山は取組後は納得のいかない表情を浮かべていた。優勝争いに関しては痛い1敗だが、前に出ての負けであり、内容としては悪くなかった。14日目終了時点で3敗は三田、4敗は大青山と荒篤山の2人となり、優勝争いは3人に絞られた。

 そして千秋楽は大青山は錦富士に敗れて5敗となり、優勝争いから脱落した。その後三田が土俵に上がり、湘南乃海戦だった。勝てば優勝という一番だったが叩き込みで敗れて4敗となった。しかしその後土俵に上がった荒篤山が竜電に敗れて5敗となったため、三田の十両優勝が決まった。

 十両2場所目となるが十両では力上位であり、順当とまでは言わないものの、優勝に驚きはない。小柄ながらスピードがあり、懐に入ってからの相撲が持ち味である。また学生相撲出身らしく技が多彩であり、引き技や投げ技も持っている。左手の回復次第ではあるものの能力が高く、近いうちに入幕しそうである。もっと前に出る圧力を付け、幕内の土俵で躍動することを期待したい。

終わり