これぞ理想の横綱! 照ノ富士 四つ相撲キラー 強さを示した琴櫻、若隆景、若元春戦
また全勝ではないものの琴櫻戦は6勝1敗、若隆景戦は10勝2敗(不戦勝が1つ)、若元春戦は3勝1敗だった。琴櫻が勝った一番は照ノ富士の膝の状態が思わしくなかった分勝てた印象である。若隆景戦での黒星は引退した場所の初日での肩透かしによるものだった。見事に決まったが、今振り返ると横綱の体調が良ければ食わなかった気がする。若元春は前回までの対戦経験を生かし、長い相撲の末寄り切って金星を挙げた。いずれも苦労してやっと横綱に勝てたという評価である。
その意味では先述の翔猿は横綱相手によく考えた相撲を取っていた。廻しを取らせず、且つ極められず、抱え込まれずに頭を付けるなどして対応していた。そして機を見て懐に入り、白星を挙げることもあった。体は小さく、照ノ富士を一番苦しめた対戦相手と言ってもいいかもしれない。また現役最後の対戦相手となった。
過去の横綱と比べても、押し相撲得意な相手と、四つ相撲得意な相手にここまで差がつくのは珍しい。押し込まれると一気に後退することもあったが、組み止めると絶対と言っていいほどの力を発揮した。また四つに組み止めてからの逆転負けはほとんどなく、高い安定感を見せた。
続く
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