2025年3月場所個別評価 琴櫻
今場所は初のカド番となったが8勝7敗という成績だった。黒星スタートとなり、序盤は2勝3敗ということでカド番脱出が危ぶまれた。6日目からは3連勝し、前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦は9日目から連敗して5勝5敗となり、またしても勝ち越しに向けて苦しい星勘定となった。翌日からは連勝し、13日目は尊富士を叩き込みで破ってカド番を脱出した。
内容に関しては差し手争いで負けたり、攻め込むも攻め切れないなど苦しい土俵が続いた。また動きに関しても対戦相手機研究されており、相手が動きを読んだ上で相撲を取っているように見えた。理想は8日目の霧島戦のように二本差す相撲だが、二本差すのは簡単ではなく、自分の相撲をなかなか取らせてもらえなかった。最後は地力で何とか勝ち越せたという印象である。
やはり自分の相撲が取れないとなると必要なのは立ち合いの当たりや瞬発力である。瞬発力に関しては横綱に上がった豊昇龍や大の里の方が上である。ただこの部分はすぐに克服できる課題ではなく、普段からの稽古の積み重ねで克服する部分だと私は思っている。立ち合いの圧力を強くすればとか、そういった単純な問題ではない。よって大関の地位は守れるものの、横綱に向けてはまだまだ時間がかかりそうだ。しかしそのことは師匠も本人も薄々分かっているのではないだろうか。ということで大関の地位を守りつつ、自分のやるべきことを淡々とやっていくしかない。
来場所こそは二桁勝利を挙げ、大関としての役割を果たして欲しいところだ。また豊昇龍は横綱となり、大の里は来場所綱取りだが二人のことは気にせず、自分の相撲に磨きをかけることに集中したい。
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