元大関の肩書を嫌う男! 正代 最後に
雑誌の1月場所前の寸評を見ると「大きな怪我もなく長く続けられたら。玉鷲関のようにはいかないと思うけど35歳は越えたい」と書かれてあった。どうやら息の長い力士が目標のようである。また玉鷲に関しては大関は目指していないと発言しており、性格的にも似ている部分がありそうだ。玉鷲は30代から頭角を現してきたが、正代は20代で大関に昇進しており、成長曲線は全く違う。しかし正代は子供の頃から相撲は取っていたものの、大学時代を含めて相撲に対するモチベーションが高かったとは言えない。むしろ周囲に才能を認められる流れで相撲を取ってきた印象がある。年齢は33歳だが大関在位は13場所と長くなく、消耗はしていないものと思われる。
そして最近思うことは稽古熱心の力士が早く引退する一方、そうでない力士は長持ちすることが多いということである。前者でいえば同学年だが貴景勝と阿武咲が当てはまる。怪我が原因とはいえ、いずれも28歳での引退であり、早すぎると思われても仕方がない。後者でいえば現在は幕下の千代丸が当てはまる。弟の千代鳳は小結まで番付を上げ、稽古熱心だったものの29歳で引退し、現在は親方である。一方の千代丸は稽古嫌いであり、弟より出世が遅れた。しかし大きな怪我はなく、ここまで幕内31場所、十両33場所を務めている。
正代に話を戻すと、本人は努力しているのかもしれないが、私の目には無理をして相撲を取っているようには見えない。また体が柔らかい上に左右へのいなしも上手く、相撲センスも抜群である。このあたりは流石は元学生横綱といったところである。
あとは同部屋の時疾風に胸を出し、力を引き上げると同時に自らの相撲を磨き、長寿力士を目指したい。今場所は負け越したものの綱取りの二大関を倒しており、力は健在である。今後は三役復帰とともに上位力士を破る活躍を期待したい。
終わり
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