2024年11月場所個別評価 玉正鳳 

 今場所は東十両4枚目だったが10勝5敗という成績だった。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦は9日目の北の若戦は北の若が上手投げで勝ったように見えた。しかし攻防の中で北の若が叩いた際にマゲを掴んでいたと判断され、北の若の反則負けとなった。内容も負けていただけにラッキーな白星となった。12日目の白鷹山戦は立ち合いで右に動いての注文相撲で勝ち越しを決めた。そして千秋楽の生田目戦は勝てば二桁勝利となり、新入幕が見えてくる大事な一番となった。相撲は激しい突っ張り合いから生田目が右へいなす動きを見せるとタイミング良く右のど輪を入れ、突き倒した。入幕に向けて大きな10勝目となった。

 内容に関してはもろ手突きからの激しい突っ張りからの多彩な動きで白星を挙げていた。また先場所までは横への動きに活路を見出す内容が多かったが、今場所は前に出る圧力が強かった分だけ白星が増えたという印象である。それでも持ち味はやはり横への動きの速さである。6日目の志摩ノ海戦は突き起こして攻めたものの攻めきれず、両者足が止まる展開となった。その後志摩ノ海が前に出たところを右に体を開いての叩き込みが決まった。10日目の安青錦戦は押し合いから1回目の叩きは決まらなかったものの、2回目の叩きに安青錦がついて行けず、前に落ちた。横へのスピードが武器であり、それが生かせる展開に持ち込めるかがポイントになりそうである。

 2025年1月場所は東前頭16枚目となり、待望の新入幕となった。身長189センチ、体重125キロの細身の体型であり、奮闘していたイメージがあるので新入幕は私としても嬉しい限りである。また年齢は31歳であり、部屋を3度移籍しているということで苦労人でもある。勿論勝ち越しを期待したいが、まずは激しく動き回る自分らしい相撲を取って欲しい。