なぜ御嶽海は大関に上がれないのか? 続編 その1

2021年3月31日

 御嶽海が大関になれないのは角界の七不思議の1つである。相撲ファンから実力を認められているだけでなく、力士間でも認められている。前回は入門までの経緯や部屋の環境、相撲内容などを分析したが今回は違った角度から見ていきたい。その前に御嶽海の去年からの近況を伝えたい。

 2020年1月場所は長年座り続けた三役の地位を明け渡し、平幕でのスタートとなった。一からやり直しである。そして1月場所は負け越したものの3月場所は10勝を挙げ、7月場所は関脇に復帰した。7月場所も11勝を挙げる活躍をし、9月場所は高いレベルの成績を残せば大関昇進の可能性もあった。しかし8勝に終わり、ほぼ同じ立場だった正代が初優勝で場所後に大関昇進を果たした。3月場所は朝乃山も大関に昇進しており、ライバルに先を越され、悔しかったと思う。しかし成績は伴わず、11月場所は7勝8で負け越し、翌1月場所は小結に番付を下げた。そして1月場所は勝ち越したものの9勝に終わり、大関昇進への起点となる2桁勝利とはいかなかった。

 御嶽海は現在も大関候補の1人だが、3月場所後に照ノ富士が大関に復帰するのはほぼ確実である。また他にも隆の勝、高安、大栄翔が大関候補であり、ライバルが多く現状は厳しい。

続く