2024年9月場所を振り返って 優勝争い 10日目 霧島ー大の里戦
そして10日目である。早くも大の里と霧島の直接対決が組まれた。大の里が勝てば霧島と星二つ差となり、2度目の優勝が見えてくる。一方霧島が勝てば1敗で大の里と霧島が並び、2敗力士を含めて優勝争いが分からなくなる。ということで今後の優勝争いを占う上で非常に重要な一番となった。
相撲は霧島が立ち合いで左に変化し、左上手を取った。しかし大の里はすぐに体勢を立て直すと右を差し、左はおっつけの形で一気に寄り切った。
勝った大の里は霧島の変化に落ち着いて対処した。私的には出足があったからこそ対応できたと思っている。また自分の相撲を取ることに集中しており、変化にも体が勝手に反応して動いたという印象である。霧島は元大関であり、元大関相手に格の違いを見せたと言っても過言ではない内容だった。
一方負けた霧島は負けたこと以前に立ち合いで変化したことを反省して欲しい。コメントによると立ち合いで変わるつもりはなかったようだが、この一番はただの一番ではない。優勝争いを大きく左右する大事な一番である。その自覚が欲しかった。厳しく言えば気持ちの弱さが出た相撲だった。元大関ではあるものの、大関を目指すという立場は大の里と全く同じである。勝ち負けだけにこだわり、プライドというものが全く見られなかった。今後も精神面が課題となりそうだ。
10日目終了時点で全勝は大の里、1敗はおらず、2敗で霧島、若隆景、錦木、高安の4人が追いかける展開となった。星二つ差に開いたと同時に大の里が他を圧倒しており、優勝以前に誰が大の里を倒すかが注目となった。
続く
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