2024年7月場所を振り返って 優勝争い 13日目 霧島ー隆の勝戦

 続いて土俵に上がったのは隆の勝である。霧島戦だったが今場所初めての役力士との対戦となった。8日目から連勝しており、流れとしては期待できる。一方霧島は負ければ6敗となり、場所後の大関復帰が消滅する。優勝争いだけでなく、霧島が勝てるかどうかという意味でも注目の取組となった。

 相撲は立ち合いで霧島が右から張り、押し込んだ。しかし隆の勝が土俵際で左に回り込んで残すと体を入れ替え、そのまま一気に押し出した。

 内容に関しては隆の勝の好調と霧島の不調を象徴したような相撲だった。隆の勝は土俵際で回り込んで残す相撲は最近はほとんど見たことがない。それだけ隆の勝の相撲に粘りがあり、また動きがいい証拠である。一方霧島は体のキレを取り戻している最中であり、パワーが落ちている。本来ならそのまま押し出していなければいけないのだが押し切れず、回り込まれるあたりは現在の実力と言える。これで大関昇進に向けては振り出しに戻った訳だが、再度大関復帰へ星を揃えられるかは現時点では微妙である。また隆の勝は元大関候補であり、馬力もある力士なのでこの結果に驚きはない。終盤に向けて非常に楽しみになってきた。

続く