大の里の今後を占う 部屋の紹介 その1

 2019年1月場所中に現役を引退した元横綱稀勢の里が年寄・荒磯を襲名した。その後2021年8月1日付で所属していた田子ノ浦部屋から力士4人と行司1人を連れて独立し、荒磯部屋を新設した。部屋の新設に施設の完成が間に合わなかったため、新設当初は茨城県つくば市に部屋を構え、隣接する筑波大学を仮の稽古場として利用していた。

 同年12月24日に荒磯親方は同じ一門の元大関若嶋津の二所ノ関親方と名跡を交換し、二所ノ関を襲名した。これに伴い、荒磯部屋は二所ノ関部屋へと改称された。

 2022年2月7日、同日付で閉鎖された尾車部屋から、元関脇嘉風の中村親方と幕内経験者の幕下・友風ら力士8人、呼出1人が転籍してきた。その友風が2023年3月場所で再十両となったため、二所ノ関部屋から初めての関取誕生となった。また同年11月場所で再入幕したため、二所ノ関部屋から初の幕内力士となった。更に2023年9月場所で高橋、現白熊と大の里が新十両となり、元稀勢の里の下で入門した力士で初めての関取誕生となった。

2022年6月5日、茨城県稲敷郡阿見町で建設が進められていた部屋施設が完成し、部屋開きが行われた。新居は1800坪の敷地にそびえたつ。土俵は二面で、トレーニング室も完備している。また広大な土地を活かし、建物の外には懸垂用の鉄棒や、半面のバスケットボールコートも設置されている。そして銭湯級の浴室とウォークイン冷凍庫も備えているようである。茨城県に部屋を設けたのは、地元であることと、衣食住の環境が良いことを挙げている。やはり地元の横綱ということで特に食べ物に関しては師匠が言うように盛大にバックアップしてもらっているようである。また幕内友風は「要領のいい稽古ができるし、時間の短縮にもなる。内容のいい稽古を圧縮できるので、理にかなっていると思う。すごく力士第一に考えられた環境と稽古ができています」と絶賛していた。

続く