2024年1月場所個別評価 王鵬
今場所は西前頭11枚目だったが10勝5敗の好成績だった。前半戦は4連勝もあり、6勝2敗で折り返した。そして後半戦は9日目から3連敗するも終盤は4連勝し、4場所ぶりの二桁勝利となった。
内容に関しては押し相撲で白星を挙げていたが左からのおっつけが光った。また全体として見れば番付が近い力士にはコンスタントに勝っており、地力が付いてきた感じがする。その一方で琴ノ若と若元春には自分の相撲を取りながら負けており、上位力士とはまだ力の差がありそうである。特に良かったのが14日目の宝富士戦である。押し合いから宝富士に左を差され、苦しい体勢となった。しかし右上手は与えず、我慢した。その後宝富士に右からおっつけられ、右上手を取られた。しかし王鵬は下がりながら右を巻き替えると左を切り、左からの肩透かしで這わせた。相手十分の体勢になりながらも粘って白星につなげたことは評価できる。また王鵬は突き・押しが得意だがぶちかましが強い方ではなく、一気に押すタイプではない。そして左四つでも相撲が取れるが、リーチが長い上に体が柔らかいので組まれるのは相手も嫌だと思う。今後に向けては押し相撲だけでなく、左四つの相撲も研究してほしいと個人的には思っている。
3月場所は自己最高位を更新し、東前頭3枚目となった。上位総当たりとまではいかないが、上位と多く当たる番付である。この番付だと少し厳しいかもしれないが脇の甘さと腰の高さは少しずつ改善してきており、一人でも多く役力士を倒したい。身長190センチ、体重179キロの恵まれた体格をしており、23歳と若いので今後の成長が楽しみである。