2023年11月場所を振り返って 優勝争い 8日目~10日目

 初日から照ノ富士が腰痛で休場し混戦が予想された。そして8日目までは1敗は平幕の一山本一人、それを2敗で9人が追いかけるという混戦模様となった。また2敗のうち役力士は霧島、豊昇龍、琴ノ若の3人であり、3人の後半戦の戦いが注目となった。また今場所綱取りの貴景勝は4日目に初黒星、そして7日目からは平幕相手に連敗して5勝3敗となり、この時点で場所後の横綱昇進は厳しくなった。

 単独トップの一山本は今場所は再入幕の場所であり、小気味良い突き押し相撲で白星を挙げていた。幕内在位は12場所であり、以前は平幕に定着していた。しかし自己最高位が東前頭8枚目ということで上位力士と対戦した経験はない。確かに実績的には格下の存在である。しかし9月場所は十両優勝を果たしており、勢いがある。また7月場所で十両優勝を果たした熱海富士が9月場所では優勝決定戦まで駒を進めており、その流れを考えると無視できない存在だと思っていた。

 9日目は一山本が1敗を守り、単独トップは変わらず。しかし2敗力士は4人に減った。そのうち豊昇龍は琴ノ若との2敗対決に敗れ、3敗に後退した。ということで2敗は霧島、琴ノ若、熱海富士、そして新入幕の美ノ海の4人となった。

 10日目は単独トップだった一山本が平戸海に敗れて2敗目となった。そして2敗力士では美ノ海が敗れて3敗となった。これで1敗力士がいなくなり、2敗力士は霧島、琴ノ若、熱海富士、一山本の4人となった。そして3敗で貴景勝や豊昇龍など6人が追いかける展開となった。先場所は優勝ラインが4敗まで後退しており、この先がどうなるか、もう少し見てみないと読めない流れになった。

続く