2026年1月場所個別評価 安青錦

 今場所は新大関の場所だったが12勝3敗という成績で2場所連続2度目の優勝を果たし、3月場所は綱取りとなった。前半戦は5日目は王鵬に、8日目は霧島に敗れ、6勝2敗で折り返した。そして後半戦は両横綱が優勝争いから後退する中で白星を伸ばすと12日目に単独トップに立った。しかし14日目は大の里に敗れて3敗となり、熱海富士に並ばれた。千秋楽は本割で琴櫻に勝つと熱海富士との優勝決定戦を首投げで制し、双葉山以来89年ぶりとなる新関脇と新大関での連覇となった。

 内容に関しては左下手を取っての前に出る相撲には安定感があった。初日の宇良戦は懐に入ろうとする宇良を突き立てて許さず、機を見てモロ差しとなると危なげなく寄り倒した。13日目の豊昇龍戦は浅いモロ差しを許したものの左右からのおっつけで凌いだ。その後右から押し上げて左上手を取ると最後は上手投げで転がし、対豊昇龍戦を決定戦を含めて5連勝とした。そして優勝決定戦の熱海富士戦は右下手を取ったものの左から引っ張り込まれ、上体を起こされかけた。しかし左からおっつけて凌ぐとタイミングを見計らったかのような首投げが鮮やかに決まり、連覇を決めた。

 危なかったのは2日目の義ノ富士戦である。上体こそ起きなかったものの押し込まれて後退し、右からの首投げで裏返しにした。物言いが付き、安青錦の左手が早く付いていたものの、義ノ富士の体が死んでいるという判断になった。これで対義ノ富士戦初勝利となったものの内容としては決して良くなく、綱取りに向けては大の里と並んで難敵となりそうだ。

 負けた相撲に関しては王鵬戦は左を差したものの右から抱えられて密着されたことが敗因である。霧島戦は左を差された後右からおっつけて前に出るかと思ったところで差され、モロ差しを許してしまった。これは霧島の技能相撲であり、霧島を褒めたい内容である。大の里戦は左廻しを狙ったところに強烈な右のど輪が入った。結果論だが、普通に当たっていたら、また違った結果になっていた可能性もある。それでも連敗はしておらず、気持ちの切り替えができていたのは流石である。

 さて来場所は綱取り場所となるが、場所後に横綱に昇進する確率は60%と見ている。やはり横綱に上がるためには更なる地力強化が不可欠である。安定感はあるものの、もう少し圧倒するような相撲内容を増やしたい。また綱取り場所なので12勝では物足りず、13勝以上欲しいところだ。

 一方両横綱が来場所万全の体調で臨めるとは思えず、付け入る隙があるのも事実である。このチャンスを生かさない手はない。ただ仮に来場所綱取りを逃したとしても、今年中には横綱に上がれそうな気がする。また横綱は上がってしまったらあとは引退するしかなくなるので、私としてはもう少し地力を付けてから上がって欲しいと考えている。