大嶽部屋継承に関して 寝耳に水の大竜

 貴闘力が解雇され、大竜が8年ぶりに大嶽を名乗って部屋を継承したものの、すんなり決まった訳ではなかった。

 大竜によると大鵬に「お前、(師匠を)やらんか」と言われて「えっ!?」と思ったらしい。師匠には何十年もお世話になっており、「嫌です」とか「できません」とか言ったことがない。黒いものでも白だと言われれば白だと言っていたのが、その時に初めて「できません」と断った。さんざん説得されたけど「無理です」と。

 個人的には大竜の気持ちはよく分かる。自ら師匠を務めたところで弟子が入らないと部屋は成り立たない。ましてや元十両であり、弟子なんか入る訳がない。それが当時の考え方だった。また部屋を持とうという意志が全くないことが良く分かる。

 そして2回目の説得にも大竜は応じなかった。やるからには潰せない。俺は立場もない人間で「無理なものは無理です、できません」と断った。その後大竜は友鵬の家に行き、4人(大竜と妻と友鵬夫妻)で話し、「俺らもどっかの部屋に行くことになってしまう。若い衆も路頭に迷ってしまうぞ」と説得された。そして友鵬から「俺も協力する。弟子も集めるから、後援会のことも全部やるから」と言われて大竜は話を持ち帰った。

 その後大竜はおかみと話をして、「今までどうにかなったから、できるんじゃないの。やってみたら」と言われた。それで次の日、大鵬のところに行って「ぜひやらせてください。頑張ります」と言ったら、先代のおかみは泣いていた。「よかった。これで部屋が残る」って。

 継承後は大竜の奮闘と、友鵬のサポートも相まって部屋は存続した。不思議と極端に弟子が減ることはなかった。また貴闘力の元妻の美絵子さんも三兄弟を大嶽部屋に送り込んだ。そして3人のうち王鵬と夢道鵬は関取となった。

続く