2025年11月場所個別評価 藤凌駕
今場所は西十両13枚目で新入幕だったが13勝2敗の好成績で十両優勝を果たした。初日から8連勝して中日勝ち越しを決めた。また決まり手は全て押し出しであり、ぶちかましてからの前に出る相撲で圧倒した。9日目は白鷹山に敗れて初黒星となったが翌日からは再度連勝した。14日目の朝乃山戦は完敗だったが、得るものはあったはずである。また気持ちの切り替えができており、千秋楽は羽出山を突き押しで攻めまくると最後は押し倒して優勝を決めた。
さて藤凌駕を紹介したい。藤凌駕は愛知県春日井市出身で藤島部屋所属であり、年齢は22歳である。また身長180センチ、体重177.6キロであり、突き、押しを得意としている。拓殖大学から入門したが、前年度の全日本相撲選手権3位などにより幕下最下位格付出が承認され、2025年3月場所で初土俵を踏んだ。そして所要4場所で関取昇進となった。
活躍はある程度予想していたが、予想を上回る内容で白星を重ねた。幕下以下は原則7番だが、15番相撲を取ったことで真の実力を発揮したように見えた。驚いたのは10日目の英乃海戦である。当たってすぐに二本差されたものの両ヒジを極めそのまま前に出て極め出した。また極め方も力任せではなく、ヒジの下をブロックするような形で極めていた。また極め方が上手いだけではない。突き押し得意の力士だが、体の使い方が非常に上手い。そして細かな技術も持っている、私的にはぶちかましてからの突き押しだけでなく、技量の高さが優勝につながったと見ている。また2敗目となった朝乃山戦は取組後悔しそうな表示用を見せながら花道で深々と頭を下げていたのが印象に残った。相手は元大関であり、通用しないのは仕方がない。稽古場と本場所の土俵でその差を少しずつ埋めていって欲しい。
来場所は東十両3枚目となり、幕内が見える位置となった。二桁勝利は勿論だが、2場所連続優勝の可能性もありそうだ。また今場所13勝を挙げたというのはそれだけの実力がある証拠である。ここ数年を見ても大の里、安青錦、義ノ富士が一気に番付を上げており、3人に続くことができるか注目である。新たな逸材の誕生ということで、世代交代が更に進みそうである。
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