2025年11月場所を振り返って 優勝争い 14日目 大の里ー琴櫻戦
14日目。先に土俵に上がったのは大の里であり、琴櫻戦だった。過去の対戦成績は大の里の7勝4敗であり、直近は不戦勝を含めて大の里の5連勝中である。ただ琴櫻は勝ち越しが懸かる一番である。前日の豊昇龍戦も見せ場は作っており、大の里有利ではあるものの、琴櫻にも勝ち目があると見ていた。
相撲は立ち合いはお互いが体当たりであり、ほぼ五分だった。その後大の里が右を差して前に出たのに対し琴櫻は左へ回り込みながら右下手も取り、十分な形を作った。その後大の里が左を巻き替えようとするも琴櫻はそれを許さず、そのまま寄り切った。
勝った琴櫻は勝ち越しを決めると同時に大関として意地を見せた。また後先を考えると勝ち越すのと負け越すのとでは大違いである。負け越せば来場所はカド番となり、地位を守るという意味では追い詰められる。勝ち越せば来場所はカド番ではないので次の場所に向けてゆとりを持った調整ができる。右膝を痛めている中での強行出場であり、出場した甲斐があったと言える。
一方負けた大の里は立ち合いの当たりが弱かった。また琴櫻が頑張ったとはいえ、あっさりと琴櫻に両廻しを許しており、何かがおかしかった。そして体に力が入っていないように見えた。痛い3敗目ではあるのだが、それ以前に体調面が心配される内容だった。
続く