2022年5月場所個別評価 御嶽海

 今場所は6勝9敗で負け越した。前半戦は4勝4敗で折り返したが対戦相手は小結以下であり、後半戦に向けて苦しい成績となった。そして後半戦も白星が伸びず、14日目は貴景勝に押し出しで敗れ、負け越しが決まった。来場所は初のカド番となる。

 内容に関しては2日目の豊昇龍戦で右の鎖骨を痛めたことに尽きる。3日目以降は右は全く使えていないということはなかったものの、押し相撲は取れず、廻しを取っての相撲が目立った。御嶽海は廻しを取っても相撲は取れるが、基本的には押し相撲なので本来の形ではない。取組後はその場に立ち止まることも多く見られた。右が使えなかったことが負け越した原因と思われる。また序盤に痛めたというのも本人にとっては痛かった。本当は休場したかったのかもしれないが弱音は吐かず、千秋楽まで土俵を務めた。立派だったとまでは言わないが、まだ大関二場所目であり、今後に向けていい勉強になったと思う。大関を務める以上はこういった逆境の中で結果を残すことが求められる。勿論好成績を残すに越したことはないが、良くない状況の中で土俵を務めることも大事である。次に活かしてほしい。

 7月場所は初のカド番となるが、まずは右の鎖骨の回復が不可欠である。テーピングは施していなかったので重症ではないと思うが、右が使えないことには始まらない。今月から出稽古が再開されたが、御嶽海にとっては故障を直す方が先決である。また故障が回復さえすれば勝ち越しは問題ないと見ている。まずはカド番を脱出し、その上で安定して二桁勝利を挙げられるような相撲内容を期待したい。