なぜ大関は不振だったのか? その1

 2022年5月場所は大関は三人中二人が負け越し、貴景勝も千秋楽にようやく勝ち越しを決めるという有様だった。それではなぜこのような結果になったのか。検証したい。理由は2つある

・最近の流れ

ここでは三大関を個別に見ていきたい。

・御嶽海

 2日目の豊昇龍戦で右の鎖骨を痛めたものと思われる。3日目以降もテーピングは施していなかったものの、ほとんど右が使えていなかった。大関ということで無理して土俵に上がっていたのではないか。しかしまだ大関二場所目である。いい勉強になったと思うし、大目に見てあげたいところである。また1月場所後に大関に昇進したが、3月場所は二大関がカド番であり、二大関ともに負け越した場合は大関が空位になる可能性もあった。それを避けるために御嶽海を大関に上げたという側面もある。大関に上がったばかりなので御嶽海にかかる期待は大きい。上を目指す前に大関としての役割を果たしてほしい。

・正代

 大関在位10場所だが二桁勝利は1回のみ、一方負け越しは4度を数え、7月場所は4回目のカド番となった。三大関の中で一番苦しい立場に立たされているのが正代である。相撲内容は大関昇進時がピークであり、今は立ち合いから相手を押し込めず、逆に押し込まれる相撲が続いている。また大関昇進前後は土俵際での逆転も多かったが、その動きも相手力士に覚えられ、そのまま土俵を割る相撲が増えた。3月場所後半は驚異的な巻き返しを見せ、カド番を脱出したが今場所は再び逆戻りである。大関昇進の頃のような立ち合いから一気に相手を押し込むような相撲が増えない限り、大関の地位を守るのは厳しいと私は見ている。

続く