大相撲

 初めに言っておくが「嫌らしい」というのは褒め言葉である。そして相手が嫌がるような相撲を取るという意味である。特に相手が横綱や大関だと相手の弱点を研究し、そこを徹底的に突いてくる。また見せ場を作るだけでなく勝つことも多く、上位キラーと ...

大相撲

 最後にやはり「しゃくる」相撲をマスターしたことが親方になれた要因の一つと言っていい。十両に上がった頃の土俵際の逆転技だけでは関取を経験しただけで引退していた可能性が高い。また現在は空いている親方株はほとんどなく、実績だけでなく、人間 ...

大相撲

 相撲に関しては右四つの相撲というよりも、左上手を取っての豪快な上手投げが印象に残っている。あとは攻めが遅く、「ミスター一分」のあだ名を持っていた。左上手を持っても攻めず、そのまま止まってしまう相撲が多かった。個人的には長い相撲は好き ...

大相撲

 師匠の佐渡ヶ嶽親方は元関脇琴ノ若である。山形県尾花沢市出身で佐渡ヶ嶽部屋所属だった。また身長191センチ、体重181キロであり、右四つ・寄り・上手投げを得意としていた。

 若い頃は大事な取組に弱く、出世も遅れがちだった。 ...

大相撲

 1965年1月場所から完全部屋別総当たり制が導入されたが、その時点で幕内力士を出していた部屋の中で唯一、現在まで幕内力士を絶やしたことがない。所属力士は「琴」という一字が前に付けられた四股名を名乗り、呼出の名前もまた同じである。先代 ...

大相撲

 また師匠は語る。「差すと安心して動きが止まってしまいがちなんですよね。私も昔、そうでしたし、(琴)恵光もそうでした」。そして当然だが、琴恵光はしゃくるのが上手いと、部屋の親方衆の意見が一致している。またしゃくるタイミングは、右か左を ...

大相撲

 意味の前に「しゃくる」とは角界の中でも佐渡ヶ嶽部屋特有の技のようである。師匠の佐渡ヶ嶽親方は「私は入門した頃から先代に言われましたよ。『しゃくらんかい!』ってね」とコメントしていた。どうやら元横綱琴櫻の先代佐渡ヶ嶽親方の教えが受け継 ...

大相撲

 琴恵光の相撲を見ていて思ったのが上手を取られたと思った瞬間、上手を切ることが多かったことである。勿論一度や二度ではない。頻繁に見られた。普通に廻しを切るということであれば、昔でいえば元横綱貴乃花が上手かったし、今でいえば照ノ富士が上 ...

大相撲

 得意は右四つ・寄り・押しであり、速攻相撲を得意としていた。ただ土俵際に限らずしぶとさを持っており、小兵の割には大型力士が相手でも攻防のある相撲を取っていた。よって速攻相撲を取らなければ負けるというタイプではなかった。稽古量が豊富だっ ...

大相撲

 最初に目に入ったのは十両時代である。小兵であり、幕内に上がれるとは思わなかった。また軽量力士なので押し込まれることが多かった。しかし土俵際の網打ちもあり、しぶとい力士というのが第一印象だった。それでも少しずつ番付を上げ、押されにくく ...